星野哲郎 作詞家

山口県周防大島に生まれる。

瀬戸内の沖合を行きかう船に思いをはせ、幼少時より船乗りとして海に暮らすことを夢に描いた。

長じて高等商船学校を卒業し、日魯漁業に就職。憧れのマドロス人生であったが、わずか2年の後、病気のために下船を余儀なくされる。

 

「故郷のせんべい布団の上で、空しく青春を費やした」と当時を回顧する。

ひたすら昏い闘病生活であったが、温かな周囲の愛情を手がかりに、星野は詩作という小さな『ともしび』を見出した。

病床から雑誌に投稿する作品は、やがて歌謡詞というジャンルに絞られ、ついには職業作詞家という航路を照らすに至った。

 

以後、半世紀余を流行歌の作詞家として生きる。

自らの作品を「紙の舟」になぞらえ、やむことのない夢を乗せて日々に浮かべた。

それは遠い海への慕情でもあった。

浮かべた舟のいくつかは、友愛の風に恵まれ、人々の胸に思いがけぬ港を見つけることもあった。

             代表作

思い出さん今日は

 

黄色いさくらんぼ

 

出世街道

 

アンコ椿は恋の花

 

函館の女

 

三百六十五歩のマーチ

 

男はつらいよ

 

昔の名前で出ています

 

風雪ながれ旅

 

兄弟船

 

みだれ髪

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